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レヴュー
06.08.倉田亜味
STB139
06.11.C・C・B
南青山MANDALA
06.16.金城広子
南青山MANDALA

レヴュー2008年6月 Index≫

6月8日(日)倉田亜味 with Friends
元タカラジェンヌ“ 銀河亜未 ”さんのLiveです。
倉田亜味 with Friends:天翔ゆうり/真白ふあり/Jun
Member:塩入俊哉(Pf)/齋藤順(Wb)
ナビゲーター:宮川俊二
第一部
オーシャンゼリゼ
枯 葉
チャオチャオバンビーナ
心遥かに
ラ ボエム
ピギャール 宝塚コーナー
Never say good bye
それでも船はゆく
すみれの花咲く頃
愛あればこそ
未来へ
第二部
朗読コーナー
−パンフより抜粋−6月にちなんで雨を。宝塚で女優を経験してきた私達らしく様々な「4人の女性」を描きたいという倉田のイメージと、天翔、JUNのアイデアをベース私(真白ふあり)が朗読コーナーの構成をさせて頂きました。映画、オペラ、ミュージカルの中に生きる女性たちを歌と踊りを交えて表現できたらっと思います。
「シェルブールの雨傘」よりジュヌヴィエーヴ/倉田亜味
「蝶々夫人」より蝶々夫人/JUN [日舞振付 花柳錦千代(貴柳みどり)]
「慕情」よりハイ・スーイン/天翔ゆうり
「レ・ミゼラブル」よりエポニーヌ/真白ふあり
Colors of the Wind /「ポカホンタス」より  
ララバイ
命あげよう/「ミスサイゴン」より
愛の讃歌
アンコール
翼をください/ami with Friends
見上げてごらん夜の星を

お客さま、年齢層がお若いでしょう…と戸惑いながら出掛けたSTB。幅広い世代のお客さまの様子にちょっと安心。それでもいつも私が出掛けるSTBライブ前の雰囲気よりテンションはハイ。おしゃべりと活発なエネルギーで賑やかでした。
そしてナビゲーター宮川俊二さんの司会で幕があきました。こんなのも楽しいかな(^ー^* )
亜味さんが女性になりますとのご紹介に会場の期待が高まる。
ピアノの可憐な響き!とドレスの裾を♪で揺らすメロディがヒロインをステージへとエスコートする。
笑顔がとってもチャーミングで素敵な亜味さん!
表情が豊かでその笑みの温かさが周りへ幸せのお花を次々と咲かせていく魅力を感じます。
紫陽花
STBのお庭に白い紫陽花が幾つも咲いていました。美しい大輪を亜味さんは様々な色で染める。
そして with Friendsのお花色も揃い咲き乱れ、ガクアジサイも咲くわ。楽しそう(^ー^* )
原点は清楚な日本の女性として躾られた気品の純白に、個性の色が濃く描かれる世界がありました。
朗読+歌コーナーで彩りの変化が顕著に表現されて。Junさんは和服をお召しになられての蝶々夫人♪チャイナドレスでのゆうりさん、歌にも惹き付けられた慕情♪ふありさんの舞いも美しいエポニーヌ♪シェルブールの雨傘♪での亜味さんはセリフを加えての構成がお似合いと思いました。
紫陽花の花言葉は移り気。そのとおり。でも意味合いを変えたい。亜味さんの男役、女性、ミュージカル女優への移り気は、土壌に含まれるph値、水分を吸収し、色彩を重ねてゆく変化。それはますます女性としての磨きをかけていくチャレンジの気と思う。自身に備わっている可能性の色合いを愉しみながら。
様々な移り気をサポートできる演奏に大拍手。塩入さんのアレンジでミュージカルにもオペラへも場のイメージをすっと入れ替える技。そこには女性の品を心遣う音色の優しさを据えて。
紫陽花、亜味さんの一曲毎同色系でも色が違っていく沢山のはなびら(実際は顎なんですが)一枚一枚を際立たせ、まあるく形を綺麗に纏める演奏。色の合わせ加減。大きなピアノのパレットを持っているのね。
この繊細な感覚と音のタッチは誰にでも出来るもんじゃないわ!と思う。
ラスト、亜味さんのミュージカルコーナーのオープニング、それまでのwith Freindsの華やかなステージが180度変わって、ぞくぞくくるイントロ、そこに順さんのベースが宇宙的な音色!?を奏でていて異次元〜と興奮状態へ突入。
お二人の歪感ないバランスのとれた演奏に安心しきって心を委ねていたところへ、すっと対話的にきたこの音色。だから耳とこころが離さないのよ(*^-^)ゞ
総てに於いてほんとっ素敵でした。
見上げてごらん夜の星を♪ 夜空に瞬く小さな星達が手をとり合い、真珠のネックレスのように繋がる。涙を救う優しい輝きを放っていた。
切れて地上に落ちないよう、ぎゅっと握りあい途切れることがなく チャーミングな笑顔が溢れていた。
06.11.記
6月11日(水)Curtis・Creek・Band『 NIGHT FLIGHT 第7夜 』
カーティスクリークバンド クラシックス
Member:さっか 利郎(Sax)/八木 のぶお(Harp)/平野 融(G)/河本 雅勝(B) 塩入 俊哉(Key)/平野 肇(Drs)
6月16日(月)金城広子「風待月」コンサート 〜風の吹く方に歩いてゆくの〜
金城広子「風待月」コンサート 風の吹くほうに歩いてゆくの at:南青山MANDALA
塩入俊哉(音楽プロデュース&ピアノ)/齋藤順(コントラバス)/佐藤芳明(アコーディオン)
-Program-
第一部
群 衆:作詞:E.Dizeo/M.Rivgauche/作曲:A.Cabral
カミニート:words G.C.Penaloza Minoru Shinmachi/music J.D.Filiberto
ジーラジーラ
道化師
待って
Inst 水のない河〜越えられぬ時間:齋藤順/音楽 塩入俊哉
ねえ 仲間たち
ジェラシー:music Jacob Gade
第二部
メランコリア:words 売野雅勇/music 塩入俊哉
窓のない列車:words 売野雅勇/music 塩入俊哉
木星の月:words 売野雅勇/music 塩入俊哉
ロバの教訓
ヴェネツィアの夜:words 売野雅勇/music 塩入俊哉
追憶のオペラ:words 売野雅勇/music 塩入俊哉
ふるさとの丘words 五木寛之/music 塩入俊哉
encore
La Vie(神様の贈り物):words 売野雅勇/music 塩入俊哉
百万本のバラ:words A.Voznesenski訳詞 松山善三/musicR.Pauls

いっぱいでしょう〜と急ぎ、早目に着いたつもりでしたが、MANDALAは食事、お酒、会話を交わす女性(年齢は高めです(^^))達で満員。お話も弾み楽しい空気感に包まれていました。
ヒロインの金城広子さん、黒のドレスでご登場。 歓声があがり歌はシャンソンの世界へ。
群衆♪"誰も知らない私の悩み”が原曲らしい。群衆に紛れてしまった熱い思いが、一瞬の熱病に陥る激しさで歌われる。
続くタンゴの曲から、アコーディオン奏者、佐藤芳明さんご登場。今日が初めての音合わせ=コンサートという驚き。も忘れていった…
アコーディオンの音色が飛び込んできて私、耳がはりついてしまった。綺麗な音!!!!!
音の空気が入る抜ける感じが直に届きハーモニカのような息づかいに、リズミカルに音が絡んでいく。
透明感のあるシャープな音色なんですが、曲で変わるのね。よく聞かれる伴奏での後打ちの和音は元気を後押しし、スーッと伸びる穏やかな丸みの音は哀愁を引っ張る。コミカルさの表現も明快。少しのフレーズでしたが荒々しく濁る音、その毒々しい音色が強く印象に残った。傷ついたこころを包むのではなく添い、一緒に唄うことで気持ちが軽くなり和らげる音色へと変化し、胸がキュンとなりました。
なんかイイ。佐藤さん、を横から見ておりましたので定かではありませんが、音色が盛り上がっても淡々と弾かれる。このインテリジェンシーなスタイルと直結の音色にとことん弱い私(*^_^*)うふっ
インテリジェンス… 齋藤さんのつま弾くベースの指がやっぱり横から拝見できまして。長く綺麗な人差し指と中指が〜でんでんむしの角!(*^-^)ゞ(すみません)柔軟でしなやかな動き(でんでん虫、体はゆっくりでも角は敏感で鋭敏な動きよね)は音同様に魅了されておりました。その齋藤さんのソロ曲、塩入さん作品のインストで水のない河〜♪をご披露してくださいました。生で聴くのはもっちろん初めてで嬉しくて、涙して、しかもアコーディオンが入る今宵限り?のスペシャルセッション。
主役は齋藤さんのベース。生演奏は男性的な味わいが浸透する響きにうっとり。乾いたアコの響きの対話にはっとなり。から、サビの部分、中間部そして最終楽章へと三段階へと展開を広げて行く塩入さんのピアノ。身震いがおきます。ドラマティックな構築が素晴らしい。ほんと韓国映画の主題歌になるわ。
この曲に限らず、塩入さんが曲の手綱を取り、重厚さとロマン性を兼ね備え深々と曲の断層を表現、細やかでクリアなアコーディオンの音色が端正に音を加えると、ほど良い硬質度が均一のまま完璧に音楽が持続する。そこへ曲線の柔らかなヴィヴラートで謳うのが齋藤さんのベース。このトリオが音に集中し瞬時にバランスを取りあう演奏はさすがとしか表現できない完成度とクオリティの高さを思います。
第二部の金城さんのドレスは和服型紫色の染め模様。濃淡が紫陽花、まあるいカタチ。曲でイメージを塗り替えてゆくこの一夜にお似合い。ライトでも変化する紫陽花が美です。
アルバム、メランコリアからの楽曲で売野&塩入作品を堪能しました。何度聴いても惹き込まれていく究極の愛情詩と音楽の世界の虜になっている。不穏な空気を切迫させる強音、哀しみに叫ぶ声を包む優しい音、対比がずしんと響き、木星の月での幻想的な浮遊感に揺られます。
ベネツィアの夜♪、カンツォーネっていいなぁ。詩も深く曲にもぞくぞくしていますればきたぁ〜アコーディオンの音。爽やかな哀愁が響き、追憶のオペラ♪哀しみを湛えたソロ。でソロの音色が曲毎で違うのですよ。スッキリと単音でしたり、少し和音が混じっている音色の時もあって耳を奪われました。
ふるさとの丘♪はみなさん口ずさんでいらっしゃいました。
アンコール、神様の贈り物♪涙しているお客様。人生において最後まで人を信じる事ができるのでしょうか。私には未だ、判りません。金城さんの言葉に置き換え、人生のお勉強が必要です。
開演して間もなく申された災害へのお見舞いの言葉を思う。今はこの時間への感謝を忘れないでいようと。
激情で歌い上げる曲に揺さぶられ、ラストの曲、百万本のバラ♪ 百万、不可能な本数に例える強い想いの渦中を渾身で熱唱され、緩と急の交錯が真紅の万華鏡。ピアノの波打つ情が少し怖かった。息を呑むほど圧巻でした。
群衆♪から幕が開き、百万本のバラで閉じた熱いコンサート。お茶目で御愛嬌もありの金城さん。ほんわかと優しさで包み込むオーラを放ちながらも、女性としての熱い思い、歌へ向かう情熱が今回は全面に現れていた。まだまだいけるわよ。お勉強するわよ。という熱意と情熱が迸る感に気持と背筋がしゃきっとなりました。
以前、台風のときも大寒でもコンサート。気象状況様々。今日は金城さんのエネルギッシュなパワーが雲を除けた梅雨晴れの日。
風の吹くままに、金城さんは風をご自身の努力で引き寄せられ、キャッチしてこられた。風の吹いていく方向も間違いのない先と信じる気持と自信を持たれている。あたたかなお仲間と共に歩まれていかれることでしょう。
明日から梅雨空が帰ってくる。雨好きな私。
降り続く雨が百万本のバラを濡らす。
どうすることもできない想いだけがただひそやかに降り続く。
涙雨のカーテンで激情を封じ込め、恵みのしずくがバラを一本も涸らすことなく、 祈りと想いを悠遠のかなたへ高貴に微笑み咲かせ続ける。
真紅の念いをしっとりと優しい雨の響きに委ねていよう。
…永久を想いで結べるの?
肌におちる冷やかな雫の使者が
……錯覚なのよと
夢の跡を流しゆく
儚い幸せにそっとぬくみ零れる涙が痛い
心を研ぎ耳を澄まし…囁く優しい雨音を聴いていたい

このような趣でも聴きたい心境の雨模様です(^ー^* )
P.S. 優しい梅雨となりますよう。心が少しずつでも癒える日々を願い 被災地へ事件へ世界へ祈ります
06.19.記

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